源氏物語第10帖「賢木」。
10月になり源氏の父である桐壺院の病気が、
以前にも増して重くなり、
院は源氏の兄である朱雀帝に、
遺言をしました。
藤壺との間の子の東宮(本当は源氏と藤壺の間の子)のことを、
くれぐれもよろしく頼むといい、
源氏を院の在世中とかわらず、
困りごとがあったら大小に関わらず、
なんでも相談して、
政治の後見役にするようにと言います。
「源氏は立派にやっていけるから誰に遠慮もいらない、
世の中を治めていける相を備えている。
だからさしさわりがないように臣下にして、
朝廷の補佐役にさせようとしたのです。
この私の遺言を必ず忘れないように」
と言い残しました。
朱雀帝の母である弘徽殿太后は、
お見舞いに行こうと思いながらも、
藤壺が院の傍にずっといるのが気に入らないと言って
ぐずぐずしている間に、
桐壺院はなんの苦しみもなく、
亡くなってしまいました。
源氏は去年は正妻の葵上を、
そして今度は父をなくし、
世の中の無情さを感じ、
出家してしまおうかとさえ思うのでした。
次回に続きます。
2017年10月20日
源氏物語について その二十四
posted by コポ at 21:43| Comment(0)
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