2017年07月20日

源氏物語について その二十二ノ五

源氏物語第9帖「葵」。

六条の御息所は、
源氏が行列に加わるので、
一目見たいと思っているのですが、
プライドが高く、
人に知られたくないことなので、
お忍びで見物にきているのです。

源氏との子を身籠っている、
正妻の葵の上は出産も近いので、
祭りに行く気などなかったのですが、
女房たちが残念がるので、
急遽見物に行くことになりました。
しかし、通路はもう見物の車でいっぱいです。
家来たちは身分の高い女車が、
並んでいるあたりに目をつけ、
他の車をのけさせました。
すると、目立たないようにしてはいるのですが、
六条の御息所のとわかる車が止まっていました。
葵の上の家来たちは、
源氏が六条の御息所のところに、
通っていたことを不満に思っていたので、
「この車をどけてしまえ」と、
無理矢理割り込みました。
御息所の車は、
隅のほうに押しやられてしまったのです。
車は壊され、見るも無惨な状態になりました。
御息所はお忍びでこっそりとやってきたのに、
なんでこんな乱暴狼藉を受けなければならないのかと、
悔しくてならないのです。
早くこの場を立ち去りたいと思っても、
前後左右他の車に囲まれ、
身動きがとれないのです。
こんな隅っこでは、
源氏の目にも止まらないだろうと、
悲しい思いをしていると、
「行列がきたぞ」という声がしました。
御息所はあの薄情な源氏の姿を、
それでもやはり一目見たいと思うのです。
女心なのでしょうね。

そして、源氏の華やかな、
馬上の姿が近づいてきました。
その光輝く美しさに、
見物人はどよめき、
ただただ呆然とするのです。
御息所の車からは、なにも見えません。
御息所のうけた屈辱と悲しみは、
計り知れないものでした。
次回に続きます。
posted by コポ at 20:55| Comment(0) | 源氏物語
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。