2017年07月29日

源氏物語について その二十二ノ六

源氏物語第9帖「葵」。

六条の御息所と、
源氏の正妻の葵上が、
賀茂の祭りのとき「車争い」があったことを、
源氏はその日のうちに聞きます。
源氏は葵上の家来が、
乱暴をしたことをみっともないと思い、
六条の御息所の心中を思うと、
気の毒でならないのです。
葵上がもう少し、
人の気持ちがわかる優しい人なら、家来たちを叱り、
こんなことにならなかったのではないか、
と思うのです。

六条の御息所は祭りのときの、
「車争い」の件が忘れられず、
あれ以来寝ても醒めても、
悩んでいてときどき正気を、
失ったようになるのです。

祭り見物以来葵上は、
もののけがとりついているらしく、
とても苦しそうなのです。

加持祈祷をし続けて、
たくさんの生霊などが憑坐について現れます。
さまざまな名乗りをあげるのですが、
その中に一つだけ憑坐につかず、
葵上にとりついて名乗らないものがあります。
どんなに祈祷をしても、
離れようとせず誰なのかわかりません。
優れた修験者の法力もかなわず、
普通の方法ではどうにもならないのです。

ここでちょっとご説明です。
憑坐(よりまし)とは、
心霊がとりつく人間のことで、
特に修験者が霊を退散させるために、
仮に霊をおろす弟子の女性や童子のことです。
では修験者(しゅげんじゃ)とは、
厳しい仏教の修行を積み、
死霊や生霊などのもののけを、
退散させる霊力を持っている人、
と信じられていた人のことです。

次回に続きます。
posted by コポ at 21:28| Comment(0) | 源氏物語
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