2017年12月01日

源氏物語について その二十七

源氏物語第10帖「賢木」。

源氏は藤壺への憧れがますます募っているのですが、
源氏を寄せ付けない藤壺の冷淡さが、
恨めしくてならないのです。

藤壺のほうは桐壺院が亡くなり、
息子である東宮の後見は源氏しかいないと、
頼りにしたいと思っているのですが、
源氏がまだ藤壺をあきらめていないので、
怖くてならないのです。
もし源氏との秘密が、
右大臣や弘徽殿皇太后などに知られたら、
東宮はどうなってしまうのか、
とこわくてならないのです。
なので寄せ付けないようにしていたのに、
どうやって来たのか、
藤壺のそばまで忍び込んできたのです。

源氏からとても苦しい恋心を、
訴え続けられた藤壺は、
胸が苦しくなり、
息をすることもできず、
今にも死にそうなのです。
女房の王命婦や弁は夢中で介抱をしています。
源氏は藤壺が死にそうなのに、
どうしたらよいのかもわからず、
ただおろおろするばかりで、
夜が明けたのに、
部屋から出ていくことも忘れています。
病気に驚き、
他の女房たちもしきりに出入りするようになったので、
王命婦が源氏を、
塗籠の中に押しこんでしまいました。

塗籠(ぬりごめ)とは、
周囲を厚く壁で塗りこめた部屋のことで、
現代の納戸や押入れのような役割をしたそうです。

ただ事ではない藤壺の様子に、
兄の兵部卿宮や中宮大夫がかけつけました。

兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)とは、
この物語に登場する本名のわからない、
架空の皇子の便宜上の名前のことです。
この帖では藤壺の兄であり若紫の父にあたります。

中宮大夫(ちゅうぐうのだいぶ)とは、
中宮に関する事務を司る役所の長官のことです。

次回に続きます。
posted by コポ at 21:58| Comment(0) | 源氏物語
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