源氏物語第10帖「賢木」。
瘧(おこり)を患っていたため宮中から、
右大臣家に里帰りしていた朧月夜。
加持祈祷を行ったおかげか、病気は落ち着き、
右大臣家の人たちもほっとしていました。
瘧とは寒気震えに続いて、
高熱を発する症状が、
1〜2日の間をおいておこる病気のことで、
主にマラリアの一種とされています。
朧月夜と源氏はこのときとばかりに、
毎夜密会を重ねていました。
朧月夜の姉で帝の母である弘徽殿の皇太后も、
右大臣家に里帰りをしています。
もし朧月夜と源氏の密会が、
弘徽殿の皇太后にばれてしまったら、
大変なことになるとわかっていながら、
危険な恋だからこそ燃えてしまうという、
源氏の悪い癖がでてしまい、
毎夜偲んで逢いに来ているのです。
そのうちに女房たちも気づいてしまったのですが、
関わるのが恐ろしいので、
誰も弘徽殿の皇太后に告げ口をしませんでした。
ある晩のこと。
突然の土砂降りの雨と、
大きな雷が鳴り皆がおびえています。
朧月夜の女房たちも怯えきっていて、
朧月夜の部屋で震えています。
この晩も一緒にいた朧月夜と源氏は、
女房たちがいるので御帳台から出ることができず、
朝を迎えました。
そんな中雷が止み雨も小降りになり、
朧月夜を心配していた父、
右大臣が急にお見舞いに来てしまったのです。
次回に続きます。
2018年02月22日
源氏物語について その三十一
posted by コポ at 21:15| Comment(0)
| 源氏物語
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