2018年05月15日

源氏物語について その三十四

源氏物語第10帖「賢木」。

右大臣から何もかもあらいざらい、
聞いてしまった弘徽殿の皇太后は、

「源氏が道理に外れた人間なのは、
今に始まったことではないのです。
初めから兄である朱雀帝を軽く見てるし、
左大臣だって娘である葵の上を、
帝のお妃にと私が望んだのに、源氏の妻にしてしまったし、
朧月夜の君だって、帝のお妃に決まっていたのに、
源氏に誘惑されて、前途をめちゃめちゃにされても
今だってこんな調子です。
だいたいあなただって源氏の正妻である葵の上が死んだ後、
朧月夜を正妻にしてくれないだろうかなどと考えて、
恥をかいたではありませんか。
操をけがされた人は女御にはなれないので、
尚侍として入内させてはいるものの、
悔しいったらありゃしない。
帝の寵姫と密通するぐらいの男だから、
何を考えているかわからない。
兄の朱雀帝を早く退位させて、
東宮(藤壺の子)の世がくることを望んでいるに違いありません」

と怒りのままに言い募るのです。
これには右大臣も嫌な気持ちになり、

「ああ、この人に話すのはやめておけばよかった」

と、後悔したのです。

そこで右大臣は、
「ああ、待て待て。そうは言っても、
このことは私どもの胸にしまっておこう。
帝にも申し上げるでないぞ。
こんな罪深いことをしても、
帝は許してくれるだろうと、
それを頼みにして朧月夜は甘えているのだから。
まずはあなたから言い聞かせて、
それでも聞く耳を持たないようなら、この父が責めを負いましょう」

と、弘徽殿の皇太后を言い聞かせてみるのですが、
一向に機嫌がおさまらず、

「こんなふうに一つ邸の中に私がいるというのに、
厚かましくも入り込んで、あんなことをするというのは、
こちらを軽くみてばかにしてるのだわ。
帝のためにもこれをきっかけに、
あの源氏を早くどうにかしてしまわなければ」

と、いきり立って怒っているその顔は、
とても恐ろしいのです。

この「賢木」の帖はここで終わりになります。
六条の御息所、藤壺と、
源氏の愛した女性が次々に去って行きました。
そして物語は新しい展開を迎えることになるのです。
posted by コポ at 21:23| Comment(0) | 日記
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